とまじ庵

TOMADIAの後日譚?

クロスバイクを「改造しない」という選択肢。

クロスバイクに乗り始めてはや三年。

数々の改造&カスタマイズを繰り返して来ましたが、今になって思うことが。

「なんかクロスバイクってノーマル(無改造)の方が乗りやすくない?」

今日はそんなお話です、おつきあいくださいまし♪


ノーマルが良い理由

改造箇所ごとの細かい話はもう少しあとの方で詳しく語っていきますが、ノーマルが良い理由を列挙するとこんな感じ

  • 乗車姿勢が美しい
  • 体への負担が少ない
  • 姿勢が窮屈にならない
  • 登りが楽
  • 呼吸が楽

端的に言ってしまえば「ロードに近づけようといじればいじるほど、どこかに無理が出てくる」のがクロスバイクなんですよねぇ・・・。

改造の弊害

ということでここからは「改造箇所」ごとに「改造で生じる欠点」を書いていきます。

ハンドルを下げる

クロスバイクの改造と言えば誰もが真っ先に手をつけるであろう「ハンドルの高さ調整」

前傾するとこで空気抵抗が軽減されて巡航速度がアップするていうのが一般的な定説ですね。

しかし・・・下記記事を読んでもらうとわかりますが、実際にステム周りのカスタマイズで下げられる範囲は5cm程度。

tomag.hatenablog.com

5cmと言うと 腰や腕の曲げ具合というポジションの変化という意味では大きな変化。
でも「正面から見た場合の表面積」つまり「空気抵抗」的にはたいした変化ではないんですよね。

ロードバイクの場合は 「前傾」要素が強いので空気抵抗も低くなりますが、クロスの場合「前傾より下降」要素が強いので思ったほど空気抵抗は軽減されません。
(ハンドルが下がっても前後の位置はほぼ変わらないので、下がった分を腕だけで吸収しちゃうパターン)

ちなみに 我が家の近くに4kmほどの人通りの少ない海沿いの道があり、そのブルホーン化したり内側バーエンドにしたりと 幾多の改造をしてきたものの、当時のタイムは未だに超えられず。

そして!
上記の様に「下降分を腕で吸収しちゃう」パターンなために、ノーマル時より手のひら痛がひどくなります。
ノーマルであれば「サドル上で軽く前傾した体を腕でささえるイメージ」なのに対し、ハンドル下げをした改造の場合「前傾した体が腕の上に乗っかる感じ」になっちゃうので、むっちゃ腕に荷重が乗るんです。


(図がヘタでごめんなさい)

こんな状態ですから 膝の可動域もある程度制限されてしまい、のびのびとしたペダリングも困難になってくるので、かなり窮屈な体勢になってしまうわけです。

おまけにこの窮屈な体勢!呼吸にも大きな影響があります。
基本的にヒルクライムなどでもすぐにバテてしまいます。

ステム延長

下げるだけで問題あるなら ハンドルを遠くすればいいんじゃない?って事で 次に行ったのがステムの延長。

tomag.hatenablog.com

ただハンドルを下げただけの時に比べればかなり姿勢の窮屈さは改善されたものの・・・・。

見た目がすごく悪いんです(爆

たかだか30mm延長しただけなのですが、ライド中に沿道のお店のガラスなどに映った自分の乗車姿勢を見ると・・・・。

前輪の上に乗ってるみたいな姿勢(笑)

体の色んな部分が開きまくっちゃうポジションなんで、コントロール性も悪い感じでおすすめできません。

ちなみにこの状態からさらにハンドルを下げるとさらに悲惨な状態になりますw

バーエンド またはブルホーン

とりあえずハンドル周りの改造は「ドロハン化」以外はひととおり試しました。

tomag.hatenablog.com

tomag.hatenablog.com

ここらへんも 実際は「効果はあるけど常用できない」のがネック。

バーエンドにしてもブルホーンにしてブレーキやシフターは元の位置のままです(出費を覚悟して大規模な改造をすれば移設も可能ですが)

そうなると 実際のところは「走行時の大部分は バーエンドやブルホーンを握れない」って事になっちゃいます。

悪い言い方をすれば「イカつい飾り」でしかありません(涙

百歩譲ったとしても「片手づつなら 手のひらを休ませるために使えるかも」くらいの頻度。

そして・・どちらにも言えることなのですが・・・。
「もともと余裕のないハンドル周りがさらにキツキツになる」

ベルつけてサイコンつけてライトつけてとなると、ノーマル状態でも結構手狭になるのですが、バーエンドやブルホーン化をするともともと少ないスペースがさらに縮小されます。

Recマウントなどの補助マウント使わないとたぶん各種アクセサリの設置が無理。

 

エルゴグリップ

他にも改造したのがグリップ周り

ロングライド時に手のひらの痛みが軽減するとの噂を聞きエルゴグリップを導入したのです。

 

たしかに「一定の角度」で握った場合は手の痛みもなく素晴らしい握り心地。

でも

  • エルゴグリップ→一定の握り方:90点 それ以外:40点
  • ノーマルグリップ→全周 70点

そんな感じ。

長距離走って疲れてくると、上体を起こしたくなったり逆に前傾してみたくなったり。
上体の位置が変わればグリップを握る角度もおのずと変わってきます。

ところが・・・・。

エルゴグリップの場合は「特定の角度以外で握るとフィットしない」という重大な欠点があります。

エルゴグリップの「平らな面」は手のひらを置ける角度での握り方であれば、抜群のホールド性を発揮しますけれど、違う角度から握った場合「ただの出っ張り」でしかありません。

「特定の握り方でのつかれにくさ」を選ぶ代わりに 「握り方の自由度」を捨てなければいけない。それがエルゴグリップの欠点です。

高すぎるサドル

サドルの高さにしても、当初は「ロードバイク」と同じ調整で乗っておりました。

要は「かかとをペダルに付けた状態で足が伸び切る高さ(つま先だと軽くまがる程度)」

たしかにこの高さって「ペダリングを効率的にする」って意味では最強なんですけれども・・・街乗り的には結構危険な高さ。

延々とサイクリングロードとかを走っているなら問題ないかもしれませんが、街乗りとなれば急停車や急旋回、はたまた低速で狭い場所を通るなんて事も多々あります。

そんな場合「ロード並の高さ」だと 咄嗟に足がつけない場合が多い。

ましてやビンディングペダルなんか搭載してたら もう自殺行為です(笑)

ということで、ヒルクライムなんかの場合は「ロード並」に上げますが、街乗り時は「そこから3~4cm下げ」で ぎりぎりつま先が地面につく程度までは下げて乗っています。

地面から5cmのところにある平均台では身動きができないと思います。

それと同じで「万が一バランスを崩してもすぐに足がつける」安心感は行動に余裕を生んでくれます。

足がつく場合は「ただ足をペダルから外すだけ」ですが、ロード並の高さの場合「どちらかのペダルに体重を乗せてサドルから降りる→もう片方を地面に着く」という二段階が必要。

もちろん慣れれば流れるようなリズムで乗り降りできるのですが、緊急時やパニック時は手数(足数?)が少ない方が安全なのは言うまでもありません。

細すぎるタイヤ

これもついついやっちゃうやつですが25Cくらいならまだしも23Cとか履いちゃってる人もいたりしますよねぇ。

でもクロスバイクって時には歩道入り口の段差を越えたり、舗装が荒れた路面を走ったりなんて事も多々あったりするわけでして。穴が大きめのグレーチングとか・・・。

それがすべて「パンクのリスク」につながるわけで、細いタイヤの場合 空気圧も高めですからかなりリスキー。

常にパンクのリスクと戦いながら、目立って速くなるわけでもない極細タイヤを履くよりも、丈夫で太めのタイヤを履いていた方が精神衛生上ずっと気楽だと思います。

細いタイヤのほうがころがり抵抗が~~~~~!!!って言う方ももちろんいると思うんですが・・・。ぶっちゃけ クロスバイクの速度域であれば 転がり抵抗なんて誤差みたいなもんです(笑)

現在の状態

ということで、幾多の改造をされた末に 今となってはほぼノーマル状態に戻ってしまった我が愛車がこちら。バッグ類が増えてる以外はほぼほぼノーマル状態。

 

車体の改造という部分では、取り外しがしやすいようにグリップを六角レンチで着脱するタイプに替えました。 ただねじ込むだけのタイプってきつすぎたり逆に緩すぎたりして着脱がめんどくさいんですよね(涙
うちのはIGNIOと言う DEPOのプライベートブランドのものですが、たぶん下記の商品が同等品です。

 

ステム周りも完全にノーマル。ステムの逆付けさえしていないので、完全に買ったままのハンドル高となっております。

 

あとはペダルには唯一の改造である ハーフトゥクリップが装着されています。 ビンディングペダルは大げさすぎるけど、フラペでダンシングとかもちょっとツライんだよな~って時に ハーフトゥクリップは本当にオススメです。

価格も数百円と自転車グッズの中では格安な部類なので万が一気に入らなくても精神的ダメージはあまり残らないですし(笑)

 

バイクパッキング

速さや軽快さをあまり気にしなくなった分、逆に「快適に使う」方向へ思いがシフトしはじめております。

要は「リュックとか背負いたくないから、できるだけ自転車に積んじゃおう」って事ですね。

といっても、財布や家の鍵、スマホやチェーンロックなどを収納できれば良いので、そこまで大げさな装備もいりません。

現在は LIBIQというメーカーのフロントバッグをメインに使っています。

財布やちょっとした着替えはもちろん、ペットボトルなんかも収納できる程度の容量はあるので、今まで小荷物のために背負っていたリュックから開放され、夏場はかなり快適なライドができるようになりました。

防水素材&止水ファスナーですので万が一の雨でも困らない頼れるヤツです♪

www.qbei.jp

財布やカギなどは降車時しか使わないので問題ないのですが、スマホは現在地の確認や時刻、メールなど ちょっと停車してすぐに取り出せる場所に入れておきたいところ。
いちいちファスナーをあけて取り出すとかめんどくさくてイヤですよねw

って事で スマホにジャストフィットなので、なかでバタついて飛び出してくるなんて事も皆無。

レインカバーも付属しているので急な雨でもスマホを守ってくれます。

 

そして万が一のパンクやいざと言うときの修理用工具などはすべてサドルバッグに収納。

こんな大きさですが

  • チューブ2本
  • 携帯空気入れ
  • CO2 ボンベ 2本
  • タイヤレバー(タイヤ取り外し用)
  • 携帯工具
  • パンク修理用シール

など 出先での修理は一通りこなせるだけの一式が収納できます。

 

 

そしてタイヤ。これも「固くて重いけど丈夫で安い」 パセラブラックスを履いています。

実際乗って見るとクロスバイクの速度域(時速20km程度)では重さや抵抗は感じません。

そして重さなどのデメリット以上に・・・全然パンクしません(笑)

 

 

 

去年まで履いていた純正タイヤが月イチくらいでパンクしていたのに、このタイヤかれこれ一年以上パンクしてないからね まじで。。。

スポーツサイクルのタイヤはパンクはしょうがない・・と思っていた私ですが、重ささえ妥協できるなら 丈夫なタイヤはいくらでもあります。 ツーキニストやマラソンも結構評判が良いですし、パンクに悩まされている人は是非ためしてみてください。

 

そして時代の流れも

私がこのクロスバイクを買った2017年頃は 自転車界隈と言えば

  • より速く
  • より高く(ヒルクライム)
  • より遠くへ(ロングライド)

が最終目標で それを 数秒 数km と更新していくために

  • より性能がよく
  • より軽く
  • より高級な

っていう感じで 自転車用品も車体自体もインフレがすごかった時代。

もちろん同時期にクロスを買った人の大部分は 高価なロードに移行して行きました。

ところが・・・去年あたりからかなぁ。ちょうど ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

タイムが~とか 距離が~とかのガチ勢と同じくらいな感じで「ゆるチャリ△」勢が増えてきた印象があります。

ガチロード勢だったYoutuberの方々も MTBなど ちょっと「ガチから外した系」にシフトしつつあったりと、徐々に自転車を取り巻くムーブメントが変わってきた印象。


はじめてマウンテンバイクを買いましたので紹介します! TREK Roscoe 8

まとめ

ということで 当時のブームに乗って「ガチ系の改造」を繰り返して来た私でしたが、3年も乗っているとすっかり 「ゆるチャリ△」になってしまい、今ではノーマルが一番乗りやすいな~なんていう軟弱なチャリ乗りになってしまったというお話でした。

そんな感じでまぁ 「何かを競わない もちろん過去の自分とも競わない自転車」ってのもなかなか楽しいものだなぁと実感しております。

先月は100km走ったから 今月は120km走らなきゃダメ!!みたいな使命感も時には大事ですけれど・・・まぁ趣味なんでゆるゆると楽しみましょうぞw